ピアノを習うのに大人が有利な点は?

ピアノといえば、子どもの習い事としても人気が高いことで知られています。早い場合には、3~4歳からレッスンをスタートするケースも少なくありません。

ピアノ自体は、年齢を重ねても一から楽しめる楽器。しかし「子どもの習い事」というイメージが根強い今、「大人になってから始めるのはちょっと……」なんて、ためらっている方も多いのではないでしょうか。

しかし大人になった今だからこそ、大人ならではの武器を活かして、ピアノのレッスンを有利に進めていくことも可能なのです。大人になってからピアノをスタートする際に、有利な点を3つ紹介していきます。スクールでピアノを習ってみたい!と思ったときには、ぜひ参考にしてみてください。

◆体格の大きさ

体格の大きさ

ピアノを習得するうえで重要な要素となるのは「音感」だと言われています。音感にも二種類があり、相対音感はいくつになっても鍛えることができますが、絶対音感は子どものうちしか習得できないと言われています。このような点からも、「やはりピアノは、子どものうちから習った方が有利なんだ……」と思う方も多いことでしょう。

しかし大人には、大人ならではの良さがあります。その一つが、「体格の大きさ」だと言えるでしょう。

大人と子どもの体格差は一目瞭然です。3~4歳の子どもがピアノの前に座ったときの様子と、大人が座ったときの様子、両方を想像してみると、その差はすぐにわかることでしょう。

ピアノ初心者にとっては、「え? ピアノを弾くのに体格が関係してくるの?」なんて思いがちですが、ピアノや曲に負けず、さまざまな音を出して演奏を楽しむためには、恵まれた体格が必須です。子どもの体格では、まだまだピアノや曲に負けてしまうケースも多いのですね。

ピアノと体格についてもっともよく言われるのが「手の大きさ」ですが、子どもの手と比べると、大人の手は大きなもの。幼い子どもにとって、和音を美しく奏でることは、決して簡単ではありません。たくさんの練習を積み重ねて、美しい音を出せるように成長していくことになります。

一方大人であれば、遠く離れた音同士でも難なく一緒に奏でることが可能です。「指が届き、全ての指で力強い音を奏でられる」という前提のもとで、自分が出したい雰囲気の音を追求していくことができるでしょう。

また体格についてはもう一つ、全身の筋肉についても重要なポイントの一つとなります。「ピアノ」と「筋力」を結び付けて考えるのは難しいかもしれませんが、力強い和音を響かせるためには、意外と全身の筋肉を使うもの。まだまだ体が発達途中の子どもと比較して、大人は自由に音を楽しみやすい環境にあると言えます。

大人になった今だからこそ、子どもよりも一歩も二歩も先に進んだところから、「自分が思い描く理想の音楽」をイメージしながらレッスンを進めていけることでしょう。「体や指を自由に動かすことができる」という点で、レッスンの意味や日々の練習の楽しさも実感しやすいはずです。

◆自分のペースで練習ができる

自分のペースで練習ができる

ピアノの技術を習得するために、もっとも重要なのは「毎日コツコツと練習を積み重ねていくこと」です。大人でも子どもでも、それは変わりがありません。継続的な努力が実を結んで、美しい音楽を奏でられるようになるのですね。

とはいえ子どもの場合、自分の練習内容を客観的に見つめるということが難しいもの。

・親や先生に言われるから練習する
・発表会があるから練習する
・毎日練習しないと下手になるから……という義務感から練習する

もちろん子どもでも、音楽の世界を全身で楽しみ、前向きな気持ちで日々の練習を積み重ねていけるケースもあります。しかし一方で、受動的な理由でなんとなく練習を行うケースも少なくないのが現実です。このような理由で練習をしても、思うような効果は得られないでしょう。

またピアノ以外にも習い事をしている場合、学校とそれらの兼ね合いの中で、思うようにレッスン時間が取れないという事情もあります。

一方で大人の場合は、自分にとって必要な練習について、自分自身でしっかりと見極められます。またそれらの練習を積み重ねていくことで、自分自身がどのように成長していけるのかを把握することもできるでしょう。子どもと比較して、練習へのモチベーションが維持しやすいのですね。日々の練習が最重要のピアノにおいて、これは大人ならではの大きな強みとなるでしょう。

子どもと同様、大人にとっても「毎日の仕事や家事で忙しい合間を縫って、練習時間を積み重ねていく」ということになります。厳しい状況は大人も子どもも変わりがありませんが、大人の方が自分のスケジュールに都合をつけやすいことが考えられます。

自分の目的に合わせて、ピアノの練習時間も確保しやすいと言えるでしょう。

◆子どもよりも理解が早い

子どもよりも理解が早い

「ピアノを弾く」ということは、「ただ決められたとおりに指を動かせばよい」というわけではありません。また、「気持ちのままに、ただ音を出せばよい」というわけでもありません。

きちんとしたルールに則って美しい音楽を奏でるためには、さまざまな能力が必要となります。ピアノを弾くために必要だと言われる能力には、以下のようなものが挙げられます。

・音符の種類を理解し、見分ける力
・分数に関する知識
・講師の話に耳を傾け、理解する力

3~4歳でピアノをスタートした子どもたちの場合、これらの知識を身につけるだけでも一苦労です。最初は、ピアノ講師とコミュニケーションをとるだけでも四苦八苦することが予想されます。

また、分数や音符に関する基礎知識は、詳しい知識がなくても、耳の良さに頼って問題を解決する子どもも少なくありません。

しかし、きちんと理解してレッスンを進めていく大人とは違って、途中で躓いてしまう子どもも少なくありません。感覚でなんとなく弾けていても、本当の意味での理解が追い付くのは、数年先ということもあり得るのです。

大人になってからピアノを始めようとする方の中には、「子どもたちのほうが、絶対に成長スピードが速いし、付いていけなかったら嫌だな」なんて考えている方も少なくありません。

しかし実際には、子どもたちの「5年」と大人になってからの「5年」では、大人のレッスンスピードの方が速いケースがほとんどなのです。

耳を活かしてレッスンを進めていく子どもたちに対して、知識と理解力、そしてこれまでの経験でレッスンを進めていくのが大人、というわけですね。

子どもたちのような「勘の良さ」を発揮することは難しいかもしれませんが、ピアノ講師と、きちんとコミュニケーションをとり、自分が成長したい方向へと確実に向かっていけるという点も、大人ならではの強みとなります。

◆まとめ

ピアノを上手に弾けるようになるためには、継続して練習をしていくことが何よりのポイント。これは、大人であっても子どもであっても変わることはありません。

子ども時代から毎日練習を続けることができれば、自分自身の可能性を広げることになるでしょう。しかし一方で、「何のためにピアノを弾くのか」という目的意識が薄くなり、途中で挫折してしまう子どもが多いのも事実です。

一方で大人になれば、子ども時代のように「音楽の基礎を学ぶために抜群の吸収力を発揮できる」というわけではありません。子どもと一緒にレッスンをスタートした場合、成長率の違いを実感して、愕然とするようなケースもあるのかもしれませんね。

しかし大人になってからピアノを学ぶということは、明確な意思があっての行動であるはず。毎日練習を積んでいく上で、この「ピアノを弾けるようになりたい」という強い気持ちが、プラスに働くことは言うまでもありません。

大人も子どもも毎日の練習が何よりも重要。そしてそれを実現するために、実は子どもよりも大人の方が有利な点もあるということを、頭に入れておいてください。

「実はスクールでピアノを習ってみたいと思っているけれど、もういい大人だから悩んでいる……」なんて遠慮をする必要はありません。ぜひ大人向けのピアノレッスンを開講しているスクールを探してみてはいかがでしょうか。

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