ピアノを始める大人の方が増えていますが、独学での学習はデメリットもあります。
独学でピアノを始めた人がハマりやすい落とし穴についてまとめました。

ピアノを始めるなら独学ではないほうがいい理由

楽器の中でも、特に人気が高いのがピアノです。少し前までは「高価な楽器」というイメージもありましたが、近年ではレベルに沿った電子ピアノを購入することも可能になり、より手軽に親しめる楽器となっていますよね。

これを機に、趣味として始めようとする方や、何らかのイベントに向けて練習をスタートする方も少なくありません。

これから先、ピアノの練習を続けられるかわからない時期には、「ピアノスクールに通う」という決断をするのは、勇気がいることかもしれません。

しかし独学でピアノの学習をスタートすることには、デメリットやリスクもあります。今回は独学でピアノ練習をスタートした際に、ハマりやすい落とし穴について解説していきます。

上達に時間がかかる

上達に時間がかかる

独学でピアノ習得を目指す場合に、もっとも大きなデメリットとなるのが、「ピアノ教室に通う方と比較して、上達スピードが遅い」という点です。

ピアノ教室に通えば、そこには先生がいて毎週進み具合をチェックしてくれます。また自分のレベルに合わせた課題も提示してくれるでしょう。問題点を見つけ出し、「じゃあ次のレッスンまでに、ここを練習してきてくださいね」なんて、アドバイスをもらうことも可能です。

独学でピアノをスタートする場合、これらの作業は全て自分で行わなければいけません。当然初心者からスタートする場合には、不可能であることも多いでしょう。だからこそ、練習中に行き詰まってしまうことも多く、上達スピードが格段に下がってしまいます。

独学でピアノを学ぶ場合、「上達スピードはゆっくりでも構わない」と考える方も多いかもしれませんが、実際に「なかなか上達しないピアノの練習を継続する」というのは、決して簡単なことではありません。

きちんと練習しているのに、なかなか手ごたえを感じることができないとなれば……残念ながら挫折してしまう方も多いのが現実です。

特に明確な目標がなく、「単純に趣味としてピアノを弾きたい」と考えている場合には、こうした落とし穴にはまってしまいがちです。「いつまでに」という締め切りが存在しないために、「まぁ、今日のところはこのぐらいでいいか」と、甘さが出てしまうことも多いでしょう。

反対に、独学であってもあまり上達スピードが落ちない人もいます。これはピアノ習得に関して、非常に高い意識を持っていて、並々ならぬ熱意を注いでいる場合が当てはまります。

モチベーションの低下が起きる暇もなく、どんどんと自分のペースで技術を習得していけることでしょう。

しかしこの場合にも、残念ながら落とし穴は存在しています。こちらについては、次項で解説していきます。

間違った弾き方の癖がつきやすい

間違った弾き方の癖がつきやすい

しっかりとした目標があり、それに向かって熱意を持って取り組んでいる場合、独学で学んでも習得スピードに関するデメリットは感じにくいでしょう。

それどころか、自分のペースでどんどんと先へと進むことができますから、ピアノスクールで学んでいる人よりも、スピードだけなら先へ行くこともできるかもしれません。

しかし残念ながら、あくまでもそれは「スピードだけ」にすぎません。独学でピアノを学ぼうとすると、間違った弾き方の癖がついてしまいやすいのです。

ピアノを習得する際には、それぞれの癖が出やすいものです。これはどうしようもないことだと言えるでしょう。この「癖」というのは必ずしも悪いものではなく、演奏に悪影響を与えない程度であれば「個性」と言うこともできるでしょう。

とはいえ、この癖を矯正する機会がないまま、独学でピアノレッスンを進めていってしまうと、あとから矯正するのが難しくなってしまいます。またこうした癖をそのままにしておくと、今は大丈夫でも、これから先、必ずどこかで躓いてしまうのです。

ピアノスクールでピアノを学んでいる場合には、癖が顔をのぞかせるたびに、プロである講師から指摘を受けます。またそれを矯正するためのレッスンも、積極的に組まれることでしょう。

だからこそ、場合によっては、独学よりもスクールで学んだ方が「進むスピードが遅い」ということになってしまうわけです。一見すると「遅い」ものの、それは「一つ一つの技術を確実に習得していくために、必要なスピード」というわけですね。

独学でピアノの練習を続けた後にスクールに通うことになると、まずはこの「癖を無くすこと」からスタートしていきます。独学でそこそこ弾けるつもりになっていたとしても、「では一からレッスンをスタートしましょう」ということになりやすいです。

演奏の何が違っているのか気づきにくい

演奏の何が違っているのか気づきにくい

独学でピアノを練習するときには、もう一つ大きなデメリットがあります。それが「自分の演奏の何が違っているのか、気付くことができない」という点です。

ピアノの楽譜は決して難しいものではありませんが、初心者にとってはやはり複雑なもの。完璧に読み、そしてそれを演奏するというのは、簡単なことではありません。誰にでも「思い込みからくるミス」というのは発生してしまうものです。

ピアノ講師の元で学んでいれば、こうしたミスを一つ一つ指摘してもらい、正しい演奏方法を身につけていくことができます。しかし独学の場合には、間違っているということにさえ気づけない可能性が高いのです。

有名なピアノ曲であれば、インターネットで「お手本」となる演奏についてリサーチして、自身の耳で聞くということもできるでしょう。しかしピアノのプロでもない限り、複雑に絡み合った音を、一つ一つ聴き分けることは難しいはずです。

あまり有名ではない曲や、そのほかの楽器で演奏された原曲をピアノ用にアレンジした楽曲の練習を行っている場合には、このような「お手本」を見つけることもできません。ますます自分のミスを見つけ出すのが難しくなってしまいます。

演奏の間違いに気づかないままでも、「趣味」として楽しんでいる分には問題はないのかもしれません。自分の好きな曲を好きなように演奏できれば、それだけで満足だという方もいるでしょう。

しかし「完璧な演奏」を求める方や、「誰かの前で演奏したい」と思っている方の場合は、やはりこうした間違いはできる限り正しておきたいところです。

自分の力だけでは難しいポイントは、プロの手で見つけ出してもらいましょう。間違いを確実に直していくための方法も、アドバイスしてもらえるはずです。満足できる演奏へと近付けていくことができます。

ピアノ教室で学ぶのがベスト

なんとなく「ピアノを始めてみたいな」と思ったとき、「独学」というスタイルにはさまざまなメリットがあります。自宅にピアノがあれば、特別な費用はかかりません。また「やりたいな」と思ったときに、好きな曲を好きなように演奏し、練習することができます。教室探しや講師との相性について、面倒な思いをすることもないでしょう。

こうしたメリットに目を向けて、ピアノの練習を独学からスタートする方は決して少なくありません。しかしそこには、メリット以上のデメリットが潜んでいる可能性もあるということを、しっかりと頭に入れておきましょう。

ピアノを独学でマスターしようと思ったときには、上達するまでに時間がかかることや、変な癖がついてしまう可能性が高いこと、またミスをそのまま見逃してしまいがちなことなどが、デメリットとして挙げられます。

「やる気」だけであれば自身の熱意と意気込みで解決できるかもしれませんが、自分では気づきにくい癖やミスとなると、やはりプロの手を借りた方が効率よく学んでいけることでしょう。

ピアノスクールに通うことをためらう方の中には、「そこまで真剣に習いたいというわけではないから」という理由を語る方も少なくありません。趣味として少しピアノを弾きたいだけで、厳しいレッスンを受けるのは抵抗がある……というケースですね。

しかしこのような場合にも、自分にピッタリのピアノスクールは必ずあります。趣味としてのピアノを楽しく学んでいけるような教室を、探してみると良いでしょう。一緒にピアノを頑張る仲間や、自身を応援してくれる講師と出会うことができれば、ピアノの練習はもっと楽しくなりますよ。

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